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Nakanishi Manabu

中西學 創作活動40周年記念展ーとこしえの景象ー

@あべのハルカス近鉄本店タワー館11階美術画廊

2023/11/22(Wed) - 2023/11/28(Tue)

DESCRIPTION

「快進撃を続ける前人未到の美術家、中西學40年の軌跡」
これまで現代美術の第一線で活躍してきた美術家の中西學氏は、その最前線をトップランナ
ーとして駆け抜けてきました。創作活動をはじめて今年で40周年を迎えます。
19歳の時、大阪の国立国際美術館でアメリカ現代美術の巨匠ロバート・ラウシェンバーグの作
品(Solstice《至点》)に出会い、大きな衝撃を受け、表現者として本格的に作家活動に入り
ます。82年に大阪芸術大学を卒業し、2016年同大学院で博士号(芸術)を取得します。
中西氏といえば、85年兵庫県立近代美術館(現・兵庫県立美術館)「アートナウ’85」に出品し
た10mの巨大オブジェが美術界に衝撃を与え、今も伝説となっています。80年代を代表する作
家として、また作品として、多くの人々の記憶に残るものです。彼はその後、カナダ(ホワイ
トホース)にオーロラ観測に行き、その壮大な宇宙の荘厳さ受け止め、その関心は「宇宙や生
命」へと向かいます。この体験は創作活動の大きなターニングポイントとなり、何万光年に位
置する宇宙の彼方から地球に降り注ぐ光を視覚化し「光と時間」を追い求める思考へと作品は
展開していきます。
その流れを見て取れるのが近年の展覧会です。2018年の国立国際美術館「ニュー・ウェイブ
現代美術の80年代」、19年の奈義町現代美術館開館25周年の個展「渦流のふるまい」、21年の
ポートアート&デザイン津山や茨木市立川端康成文学館の個展「造形の諸相」、22年の兵庫県
立美術館開館20周年「関西の80年代」、徳島県立近代美術館特別展「日本の戦後彫刻」、23年
の宝塚市立文化芸術センターでの個展「滑らかな多様体」です。近年の目覚ましい活躍には目
をみはるものがあり、これまで数多くの国公立美術館などに招待され、その作品は高い評価を
博しています。
前人未到の快進撃を続ける中西學氏の近年のテーマは、「宇宙や生命」「光と時間」といっ
た普遍的で広大な物語を独自の造形言語で語り紡ぐものです。絵画や彫刻といったメディアを
横断する作品展開に、類い稀な才能に立脚した努力家の一面を見る時、その好奇心と探究心、
集中力と持続性に敬服します。
中学生の頃にロック界のスーパースター、エルヴィス・プレスリーに感銘を受けた少年が、
その後、美術家として歩んだ40年間の創作活動の道のりは、決して穏やかなものではなかった
と推察します。創作活動を支えるその根底には、エルヴィスのロック魂(反骨精神)と彼の美術
に対する真摯な愛が満ち溢れています。40年前にニュー・ペインティング的な作品からスター
トした彼は、今や宇宙の真理を追い求める哲学的な思考という普遍的な領域に展開を求めてい
ると言っても過言ではありません。さらなる高みを目指す、唯一無二の現代の美術家だといえ
ます。益々その展開と活躍に目が離せません。
加藤 義夫 (宝塚市立文化芸術センター館長 / 大阪芸術大学客員教授)

《スライダー1枚目》
「CROSS WORDS」 30.0×31.0㎝
アルミニウム鋳造にアクリル絵具
《スライダー2枚目》
「NorthernLightsYellowknife」
28.2×16.0×11.0㎝
アルミニウム鋳造にアクリル絵具
《スライダー3枚目》
「WhiteCave」φ50㎝
キャンバスにアクリル
《スライダー4枚目》
「Vortex27」72.0×54.0㎝
水彩